公務員の方で、自身の給与詳細を知らなかった人が多かったため、公務員のための給与関係の解説をしていきたいと思います。
何を隠そう私も良く分かってませんでした。
今回は、“管理職手当” についてです。
なお、当該手当の言い方は自治体によって様々で、他にも “給料の特別調整額” という自治体や、国家公務員の場合は “俸給の特別調整額” といいます。
なお、この解説は国家公務員が順守する人事院規則や各自治体の地方公務員が順守する条例等に基づいて考察されています。
そもそも管理職手当とはどういうもの?
管理職手当というものは、自治法上で「管理職手当」という名称で定められており、管理又は監督の地位の職位にある職員に、その職務の特殊性に基づいて支給される手当です。
ついでに言っておくと、似たような言葉で「俸給の調整額」や「給料の調整額」というものがあるんだけど、それとは違うから注意してね。よく見ると “特別” という言葉がついているよね。
管理職には超過勤務手当が支給されない
管理職手当が支給される職員には、超過勤務手当や休日給、夜勤手当は支給されません。
しかし管理職は基本的には休日や夜間に働かない勤務サイクルになっているんだけど、事情により本来働かなくていい時間に働く場合は、条件によって管理職員特別勤務手当を支給されることになっているんだ。
管理職手当が支給されるのはどんな人?
平たく言えば、課長級以上の職に就いている人に対して支給されます。
そのため、主任や係長などの監督職にあたる職員は部下がたくさんいても管理職手当は貰えません。
また、指定職には支給されません。
管理職手当はいくらくらい貰えるの?
職務の内容や、勤めている自治体によって支給される割合が変わってきます。
大まかにいうと、国家公務員では所属している組織に応じて、5万~13万円ほどとなり、
地方公務員では課長級で8万~9万円ほど、部長級で10万~12万円ほどです。
以下で国、自治体等毎の支給金額を示します。
国家公務員の場合
以下の表のように、俸給表別、職務の級別、俸給の特別調整額の区分別に定められた額を支給します。
(出典:国家公務員の諸手当の概要)
東京都の場合
以下の表のように、職務毎に異なった給料の特別調整額(=管理職手当)が支給されます。
この表は一例であり、これ以外にも職種による違い(医(一)や公安職等)により金額が変わってきます。
(出典:東京都職員の給与メモ)
福岡市の場合
以下のように、職務毎に異なった管理職手当の金額が支給されます。
・局長級(一種) 130,000円
・局長級(二種) 120,000円
・局長級(三種) 110,000円
・部長級 100,000円
・課長級 82,000円
(出典:福岡市職員給与の実態)
よくある疑問
Question
管理職の職員がその月に一度も勤務しなかった場合は、支給される?
Answer
その月に一度も勤務しなかった場合は、その月は管理職手当は支給されません。
Question
心や身体の病気やケガによって通常の勤務ができなくなった場合でも支給される?
Answer
その月に一度でも勤務していたら支給されるよ。ただ、本来貰える金額より少し減額されて支給されるよ。
ちなみに、自治体によるけど病気休暇に入るだけだと減額されず、休職に入ってから初めて減額される場合などもあるよ。
Question
月の途中で昇格して管理職になった場合、その月の管理職手当は貰える?
Answer
その月の勤務を要する日の分で日割り計算をして、実際に管理職として勤務した日数分の割合で支給されるよ。
Question
出張中に途中で病休に入り、本来の勤務地に一度も出勤しなかった場合でも支給される?
Answer
実際に出張していたら本来の勤務地に行っていなくても勤務しているとみなすので、全額支給するよ。
Question
その月に職務専念義務が免除される(=職免)用事へ行って、その後に年次休暇等で本来の勤務地に一度も出勤しなかった場合はどうなる?
Answer
職免の用事は、勤務しているとみなせないので、その後に本来の勤務地に一度も出勤していないと支給されないよ。
例えばどのような用事かというと、職務には関係のないが自己啓発のため講演を聴講する場合などが職免に該当するよ。
まとめ
管理職手当は管理職における職務の大変さ、責任の重要性に対して支給されている手当です。
その職責の大きさによって金額も変わっており、簡単に言うと金額が高ければ重要な仕事をしている職員となり偉い人となります。
また管理職はその職務の特性により管理職でない職員(一般職)の場合は貰えるべき手当が貰えないこともあり、結果として一般職より給与が少ないことも稀に発生してきます。
消防、警察はまるまる損でしかないですかを