子供が生まれた場合、児童手当を受給するため、お住いの市区町村(公務員の場合は勤務先)へ申請することがあると思います。
その際に、場合によっては父母のどちらが申請者となって受給すればよいのか?と迷ったことがないだろうか。
例えば、父母のどちらかが公務員の場合は、支給される場所が異なってくることになり、どちらで申請すればよいか判断する必要があります。
ここでは、父母の所得に焦点をあてて、父母のどちらに児童手当を受給できる要件があるかを解説していきたいと思います。
なお、当内容は厚生労働省より発出されている内容を基に考察されています。
この記事はこのような方へ 父母のどちらで児童手当を受給すればよいか分からない
児童手当の所得要件の考え方が分からない
児童手当を受給する資格がある者とは
住所要件
日本国内に住所を有すること
監護・生計要件
一定の児童を監護し、その児童と一定の生計関係にあること
所得要件
前年または前々年の所得が、一定の額(所得制限限度額)未満であること
※所得制限限度額を超えた場合は、特例給付額(子一人につき月5000円)になります。
以上の条件を父母の両方が満たして入れば、どちらも受給する資格があります。
その場合に、所得要件をポイントとして父母どちらに受給すべきなのか見ていきます。
所得要件において、父母のどちらが受給資格者になるかの判断
基本的には「生計を維持する程度の高い者」が受給します。
つまり、父母の所得が高い方に受給資格があります。
父母の収入の状況
前年所得の高い者が受給資格者になります。
※どちらが恒常的に収入が高いかも観点にいれます。
しかし、一概にそれだけで見ない場合もあります。実は下記の条件を勘案した上での総合的に考慮して判断されます。
住民票上の取扱い
父母のどちらが世帯主になっているか、世帯主になっているほうが優先されます。
※その世代を代表する者として社会通念上妥当と認められるもので、基本的に届出に基づいて考えられますが、届出の世帯主の年齢が低い等で疑義が生じた場合は、その限りではありません。
健康保険の適用状況
父母のどちらが世帯主になっているか、世帯主になっているほうが優先されます。
※国民健康保険の保険料又は国民健康保険税の納付義務者として社会通念上妥当と認められるもの
住民税等の扶養親族の状況
父母のどちらの扶養親族になっているか、扶養しているほうが優先されます。
※給与所得者の扶養控除等申請所や給与支払報告書に記載されているところによります
ただし、 注意点として、
基本的には父母の一方が所得制限限度額以上の場合は、その所得制限限度額を超えた方が受給資格者として判断されます。
そして、特に明記されていないですが、父母のどちらかが公務員の場合は公務員側の受給資格者が優先されるというものもあります。
※この考え方は、定められている規定等はないので各自治体により変わることがあります
難しいパターンとして
では次の場合は、父母と受給者はどちらになるでしょうか。
父 | 母 | |
---|---|---|
扶養親族の数 | 2人 | 0人 |
健康保険の適用状況 | 児童2人を扶養 | 本人のみ |
前年所得 | 680万円 | 630万円 |
所得制限限度額 | 698万円 | 622万円 |
支給する手当区分 | 児童手当 | 特例給付 |
受給資格者は母で、特例給付(子一人に付き月5000円)で受給するんでしょ。
最初の判断での、「生計を維持する程度の高い者」として考えると収入が高い父に児童手当の受給資格があると判断されるんだ。
まず受給資格を確認するから、そちらが優先されるのか!
だから、パッと見た感じは、母が所得制限限度額以上で、父が所得制限限度額未満だから、母が受給できると考えられがちなんだが、収入が高い方という原則に従い、父に受給資格があるんだ。
ただし、健康保険の適用状況や住民票上の取り扱いで、世帯主が母だった場合は、その限りでないから注意が必要だね。
その場合は、お住いの市区町村に聞いてみる必要があるね。公務員の場合は所属庁に聞く必要があるね。
まとめ
父母の両方に児童手当を受給できる資格を有していた場合は、基本的に所得が高い方が受給される。
しかし、父母の一方が世帯主である場合などは、所得が低い方が受給することもある。
(例:所得は母の方が高いけど、父が世帯主であるため父が児童手当を受給する)
そして、父母の一方が公務員であり同等の所得の場合などは、公務員側の親が受給することが多い。